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声とひとつになる

カテゴリ : 声とスピリット

 

声は風

声は息吹

精霊の声が私たちを結ぶ

私たちをつなぐ

声がひとつになるとき

そこには 愛が生まれる

 

声とひとつになると感じる瞬間があります。

夜が明けて空が茜色に染まり、今日の光が生まれる瞬間の声。空と光と風といのちあ
るものたちがひとつの風景にとけあっていくとき、ひとつの呼吸(いき)にとけあっ
ていくとき、朝の光には、精霊(スピリット)がきらきらしています。

声と声が結ばれて、つながってひとつになることを「精霊」の働きだと古代の人たち
は知っていました。

spritの語源ラテン語のspiritusは「呼吸・微風・精霊・精神・霊・霊感・酒精」など
を意味します。エネルギーに動きがあって変化することは、「風がふくこと」です。
風がふくと呼吸にも変化がおきます。瞬時にして、今は過去になり、未来と感じてい
た新しい時間が始まっていく。その不思議な変化―風がふくことをもたらす働きに、
古代の人たちは、人を超えた不思議な力を感じ、そこに「精霊が働く、精霊がなかだ
ちをする」のだと、感じていたのです。

声がひとつになっていくときにもspirit・精霊はなかだちをします。風の声と木の声を
つなぎ、朝の光の声と鳥たちの声をつなぎ、夜明けという時の声と私たちの体内の時計
の声をつなぎます。

声とひとつになるとき、一体感が生まれます。ふたつのものがゆれあい、ふれあい、響
きあい、共鳴しあってひとつの風景やひとつの呼吸にとけあっていくとき、「気持ちが
いい」と感じます。自分という硬い枠がはずされ違いをこえてひとつにとけあっていく
ときは、「恍惚感・うっとりとした気持ち」さえ感じるかもしれません。

古い北欧の言葉galdr(古い英語gealdor)呪文・魔法・魔力は、galanという動詞・歌
う・叫ぶ・呪文を唱えるから来ていると本で読んだことがあります。声をだして歌うと
きには、人間を超えた魔力のような力が働きます。だから「トランス」状態になります。
トランス状態では自他の区別も差別も境界もありません。すべてがひとつになって融合
し、共鳴しあっていきます。共鳴する―同時に共に鳴るということが、どんなに幸福感
をもたらすか、どんなに恍惚感をもたらすかを人間はよく知っていました。

音楽があり、歌があったということは「共鳴したい」という人のいのちからの願いのあ
らわれです。そして歌のもっとも原初的な形が「声が共鳴する気持ちよさ」ということ
だっただろうと思います。共鳴する―同時に共に鳴るということは、ふたつ以上のもの
が同時に向きあっているということです。違いを超えてよく似たエネルギー同士がひと
つになろうとする美しい現象が共鳴するということです。そこにはスピリット・精霊が
はたらいています。微風がおきて呼吸が変わり、古いものから新しいものへ変化してい
くときに、ひとつになると感じる瞬間があるのです。その恍惚感を私たちは「しあわせ」
と呼んできたのではないでしょうか?

他の人と意見がひとつになったとき、同じ音楽に感動したとき、ある風景をみて同時に
美しいと感じたとき、伝えたい愛のことばがいっしょだったとき…シーンはさまざまで
すが、きっとそこにはいつも「声」があって「声」によって感動を伝言を気持ちを伝え
ているのでしょうし、「声」をつかって互いの空気をふるわせて響きあっているのだと
思います。

 

私の心のなかには「声の小箱」と呼んでいる箱がたくさんしまわれています。生きてく
るなかで、いいなと感じた声、感動した声、好きだなと感じた声、うっとりとした声が
しまわれています。私の声のコレクションです。人の声によく耳を傾けている私を発見
したのは20代の初めごろでした。

それは私のこんなコンプレックスに反応しています。

私の母は若い頃、演劇が得意・合唱も得意でした。美しい声を持って人前で演じること
に無上の喜びを感じ、劇団からスカウトされるほどだったと聞きます。その娘である私
は、小さい頃から「発音」のことをよく言われました。同時に母の自慢話を繰り返し聞
かされました。幼稚園の頃には、人前で台詞をいうことが嫌いな女の子になっていまし
た。ひとり静かに黙って本の世界へ逃避するのが大好きな女の子に育っていたのです。
小学校・中学・高校と母からは「あなたの声は通らない・発音が不明瞭だ」と何度も指
摘されました。その頃、自分の声にはまったく自信がありませんでした。今、ボイスセ
ラピーという声を使う仕事をしていることのほうが、不思議な私だったのです。

声のコレクションは、おそらく、母の価値観にない自分だけの「いい声」を探したかっ
たのだと思います。私がいいと感じる声をたくさん集めて、その声を通して自分のコン
プレックスを解放したかったのかもしれません。

 

声の小箱をあけてみましょう。声とひとつになった私のお話です。

20代の終わりにイタリアのバチカン市国にあるサンピエトロ寺院を訪れたときのこと。
聖堂に足を一歩踏み入れた瞬間、声の光にふわっとつつまれたような気がしました。ど
こからともなく聖歌が流れ続け、パイプオルガンの音が流れ、その声は重なりあい、響
きあい、聖堂のなかで光となって、旅をしてきた私をまあるくまあるく包んでくれまし
た。その感覚はまるでお母さんに抱っこされているような、子守唄をずっと唄ってもら
っているような感じがして、涙がとまらなかったのを覚えています。

声の光につつまれて聖歌とオルガンと私がひとつにとけあっていくとき。声のパステル
画がひろがっていく時間。私のなかにひとつの声がありました。声の精霊は、記憶をさ
かのぼり、小学生の頃、教会学校で讃美歌を歌っていた私の声を連れてきてくれたので
す。小さい頃からオルガンのやわらかい音色が好きでした。なかでもパイプオルガンの
音が何重にも響いていると、空へ舞あがっていくようなうっとりした気持ちになりまし
た。私はヨーロッパの前世をたくさん持っています。シスターだった前世も何度もあり
ます。

声の共鳴する現象がつむぎだす前世の記憶ともいえる自分の嗜好を、光のように感じ、
その声に包まれて、声にハグされて、声とひとつになった瞬間でした。

 

別の声の小箱には大好きなエンヤの声がしまってあります。エンヤを初めて聞いた夜の
衝撃は今も忘れることができません。1995年のことでした。カーラジオから流れたこの
世のものとは思えない不思議な声=これがエンヤとの初めての出会いでした。すぐにエン
ヤのCDを手に入れました。エンヤの4枚目のアルバムにあたる『メモリー・オブ・トゥリ
ーズ』です。CDをかけ始め、食事をしようと箸を持ったまま、私は動くことができません
でした。食事に箸をつけることができなかったのです。CDの全曲が終わるまで、CDの前
で居ずまいを正して聞きいるだけだったのです。頬には次から次へと涙が伝わっていまし
た。

エンヤの声は、声というより息づかいに近いのです。私たちをとりまく空気や空間、風景
さえもエンヤは声にしてしまいます。森へ足を踏み入れたとき、風も木々の葉の音も小鳥
の鳴き声も、枯葉を踏みしめる足音もすべてが声となって何層にも響きあってひとつにな
っている―それがエンヤの世界です。

耳で聞いている音だけではありません。エンヤの音楽を聞いていると、なつかしいと感じ
るときがよくあります。小さい頃、心のなかで聞いていたような、心のなかで響いていた
声のような、音楽のような―それはなんだったのか?誰の声だったのか?よくはわかりま
せん。心の耳が記憶している声なのです。

4・5歳の私が、裏庭にゴザを敷いて一人ぼっちでままごとをしています。塀に囲まれて、
青空がひろがり、風が吹くと、庭の花たちがやさしくゆれます。大好きだった芙蓉の花か
ら、その声は響いてきているように感じました。どこかさびしそうな私。私を温めるよう
に、なぐさめるように、芙蓉の花は歌います。

このシーンはインナチャイルドワークをするといつもでてくるシーンです。

病気の母に甘えたくても甘えられなかった小さな私です。でも花たちや空たちが温かい声
を贈ってくれていたのですね。

エンヤの声と共にゆれてふるえる小さな私のさびしさ。私のさびしさと共にふええる芙蓉の
花の声。時空をこえて声と声をつないでいく風=精霊は、とけあってひとつの声になるとき
さびしさや悲しさは癒されることを知っていて、共鳴現象をおこしていくのでしょう。

ボイスセラピーでよく使うお気にいりのエンヤの1曲

「To Go Beyond Ⅱ」―『Celts』より

http://www.youtube.com/watch?v=3Ri8leO_OYE&feature=related

 

精霊がもたらす風は変化を起こします。心がゆれて、はっときづいて、不思議な偶然が重な
って、人生が動くときを私たちは転機と呼んでいます。転機のときには呼吸も変化していま
す。今までの自分にないものにふれて、ゆれて、振動が伝わって、「私」のの中も新しい揺
れが起こります。

身体の70%が水でできている私たちは、身体全体が共鳴板のような役割をしていて、臓器の
ひとつひとつ、皮膚の一枚一枚がそれぞれの周波数でゆれ、ふるえ、世界や宇宙と共鳴して
いるだそうです。

新しい共鳴を感じるときには、精霊が新しい未来を運んでくれています。

出産の体験は、女性にとって誰しもとても大きな変化です。新しいいのちと響きあいながら、
いのちを生み出す出産ほど、お母さんと赤ちゃんが同時に、共にひとつの呼吸に、ひとつの
声になっている瞬間はないと思います。出産―いのちを新しく生み出すというとき、ミリア
ム・ストックリーを思います。

エンヤを北の歌姫とするならば、南の歌姫はミリアム・ストックリー(アディエマス)、私
はひそかにそう呼んでいます。ミリアムの声も私の大切な声の小箱のひとつです。

南アフリカ出身のミリアムの声には部族的な響きと、大地からわきあがるような力強さがあ
ります。夜が明ける瞬間の空のあざやかな色。その空へまっすぐにのぼっていくミリアムの
声は、現代の私たちが忘れかけたいのちへの感謝と祈りを感じさせてくれるのです。そして
青い海の水がくりかえしよせてくるうねりのような力も、ミリアムの声は持っています。

大好きな「静寂 HYMN」-アディエマス『聖なる海の歌声』より

http://www.youtube.com/watch?v=CTCmVMiTsKI&feature=related

娘を出産したとき、この「静寂 HYMN」をくりかえし聞いていました。私の身体で一体と
なっていた新しいいのちと別れる瞬間、そして新しいいのちを生み出していく瞬間。空と大
地と海とそして新しいいのちが一体となっていく誕生のとき。そこにもスピリットは風を送
って、私と娘を「親子」という声でつないでいきます。

声と声が向きあって、響きあって共鳴していくとき、新しく生まれてくる光、それを「愛」
と私たちは呼んでいるのではないでしょうか。共に響きあうとき「愛」が生まれ、その瞬間
を私たちは「しあわせだ」と感じます。それぞれの境界を越えて、それぞれの輪郭という枠
をこえて、ひとつの呼吸になるとき、ひとつの息吹になるとき「愛」が生まれるのです。

私たちは一人では生きていくことはできなくて、「声」に運ばれてたくさんの共鳴現象を
おこしながら、一人ではないことを確認していきます。一人はない、孤独ではない、さび
しくはない、ひとつに溶けあうことができる喜びと恍惚感。

 

「静寂 HYMN」に声をのせて、熊野の七里御浜で詩の朗読をしたことがあります。

浜辺に立って、背後に海を感じなら声をだしていくと、私たち自身が海風になって海上へ
運ばれていくようでした。声を海に捧げるように、声を風に変えて、海風と一体となって
海へ声を届けていました。

朗読が終わる頃、海からの返信のように水平線上に大きな虹の橋がかかったのです。

 

「主よ、今日一日 やさしい言葉に飢えている人々と語りあうため

私の声をお望みでしたら今日、私のこの声をお使いください。」

マザーテレサの祈りより


 

私たちの朗読の活動については次をご覧ください。

http://www.voicetherapy.info/therapist

 

ボイスセラピスト・スピリチュアルボイスカウンセラー 時野慶子

2010年11月12日

わたしを包む声ーま行


声から人生が変わる 声から未来も変わる 声から私がやわらかくなる

 

ひらがな50音のひとつひとつの音には、ひとの感覚・感情・日本の風土・民族性・歴史などがこめられています。音そのものにも組み合わせた言葉にも力があり、声にして身体の内外に響かせたとき、内臓の調子を整えたり、自分のまわりの空気を変えたり、ひとの心を励ましたり癒したりすることができます。中国気功の六字訣(りくじけつ)などもひとつの例ですし、真言(マントラ)による祓い清めも同じです。

 

その中で、今回は〝ま行〟について書いてみたいと思います。

〝ま行〟はボイスセラピー50音ヒーリングでは「わたしをやわらかく包む音」です。「まー」と発声したとき、わたしたちは口を縦にも横にも大きく開きます。「もー、むー、めー、みー」も、唇はすぼめていても、中は広いはず。口の中で、声はお寺の梵鐘のように〝わわわ~ん〟と響くことでしょう。また〝ま行〟は、ひらがな50音の中でもただひとつ、唇を瞬間的にくっつけて発声する音です。

 

赤ちゃんが初めて話す言葉のひとつに〝まんま〟があります。赤ちゃんははじめ、お母さんのおっぱい(あるいは哺乳瓶の乳首)を吸うことで、唇の筋肉を発達させます。そして離乳食が食べられる8~10ヶ月ころ、唇を瞬間的にくっつける発声が出来るようになります。「まんまー、まんまー」と言って、お母さんやお父さん、周囲の人たち―特に身近なお母さんに話しかけるようになり、お母さんは赤ちゃんの欲求をいっしんに聞いてこたえようとして、ふたりは言葉でつながっていくのです。
赤ちゃんの言葉〝まんま〟は、主にお母さんや食べ物を表しているのですが、英語のマザー・ママ、そして聖母マリアが〝ま〟で始まる母につながる言葉 であること、〝マナ〟という聖書(出エジプト記)の中の言葉が「神さまからいただく聖なる食べ物」をあらわしているというのも、面白い共通点です。

 

ひらがな50音の中で、〝ま行〟にとても近い音は〝な行〟です。〝な行〟は、舌を上あごにくっつけて、時に鼻にかかった声として発声します。「ねえねえ」とか「これなあに?」とか…子どもが親にねだるとき、あるいは女性が男性に甘えるとき、〝な行〟が効果的に働きます。どちらかというと、本能的な、身体的な欲求をうまく表現します。

ボイスセラピーの講座(スピリチュアルボイス講座)で、先日ピンク色のウールボールを身体の痛いところにあてて、目をつむり、呼吸をしながら「まーもーむーめーみー」「ままー、まりあー」と声を出すワークをしました。その後みなさんの感想を聞くと、「肩の痛みが取れた」「顔や胸のまわりがあたたかくなった」「今まで気づかなかった心臓の痛みを強く感じた」という声が出てきました。〝ま行〟は自分にやさしくする音、ハートチャクラに響く音です。ハートチャクラは、自分を愛し、ひとを愛するエネルギーゾーン。〝ま行〟を心地よく発声することで、赤ちゃんだった頃お母さんに甘えた感覚がよみがえって、ご自分をあたためたのではないだろうか?そしてその時身体の奥深くにひそんでいた胸の傷みが、「気づいて」と意識に上ってきたのではないだろうか?と感じました。

お1人の方が「わたしは子どもがいないから、子どもはちょっと、という気持ちがあったけれど、まーの音を発声したら、子どもを受け入れようかなという気持ちになった」ともおっしゃいました。また、もうひとつ、お互いに「なーのーぬーねーにー」と「まーもーむーめーみー」を言ってみるワークをしたら、みなさん「〝ま行〟より〝な行〟を言う方が好き」「甘えたい」と言われました。そう、子どもの〝な行〟に対して、〝ま行〟はお母さん、母性を呼び覚ます声なのです。

 

こんな風に〝ま行〟はお母さん的な要素と赤ちゃん的な要素をあわせ持っているといえます。そしてそれは、初めてひとに話しかけひとと言葉でつながろうとする赤ちゃんと、赤ちゃんの要求に対して無償の愛でこたえようとするお母さんの姿が原型にあるようです。それまで、自分の中だけにいて欲求を放っていたわたしという人間が、愛をもってひととつながっていく場所―ハートチャクラに響く音が、〝ま行〟の音です。

 

けれども、〝ま行〟は他の50音に比べて、半分外へ向かい半分内側へ向かう音でもあります。これは、唇を瞬間的にくっつける―発声のときいったん唇を閉じることから、声がすべて外へ出ていかないことも原因です。実は〝ま行〟の前には〝ン〟という声にならない声が隠されているからです。

〝ま行〟の言葉は

身体の部分を表す言葉…眉、腿、胸、目、耳、身

自分の心が満たされる言葉…まるい、まろやか、めずらしい、向く、燃やす、目指す、愛でる、見る、満ちる、みなぎる、満月、森、無、恵み、水、道

自分の心が満たされない言葉…むずかしい、むなしい、短い、みじめ、無理、待つ、もどる

〝ま行〟の言葉を声に出すとき、ひとは身体と心が満たされたいと願っているのかもしれません。まず自分を満足させること―自分を愛すること=唇を閉じること―ができてはじめて、ひとを本当に愛すること=口を広くあけて声をだすこと―ができるのでしょう。

 

ちるとき
潮(うしお)のように 

わたしのなかのちる

あるくなって

あふれるを っと

あなたにささげよう

わたしのなかであなたは覚め

あなたのなかでわたしはになる

 

〝ま行〟を発声してみましょう。唇をしっかり閉じて、声にならない〝ン〟で自分の内側をしずめてあげましょう。それから口の中を広くあけて、あたたかい息で、わたしの身体を包んでいきましょう。

あなたがやすらぐために。わたしがやすらぐために。

 

ずい分前に、とても大切な友人で、苦しかったわたしを救い上げスピリチュアルな世界に導いてくれた方が、脳の発作で言葉がうまく話せなくなってしまいました。身近なひとは彼女の言葉がわかるのですが、たまに会うとなかなか理解できません。本人はもう慣れてしまったのかもしれませんが、それでも我慢することやイライラがたくさんあると思います。今やっとわたしは、彼女は〝ま行〟ができなくなったからだと気づきました。瞬間的に唇をくっつける動作がうまくできなくなったから、言葉がわかりにくくなっているのだと。
〝ま行〟は自分を満たす音、自分をやわらかく包む音。わたしや、あの頃関わったひと達すべてに、彼女は自分の霊性をもって愛を注いでいたと思います。けれども、プライベートなところで、どうしても自分の喜びや女性性や心の平安を満たすことができない存在がありました。そこに向きあうことなく時間が過ぎてしまい、彼女を傷めてしまったのだと感じます。その結果、〝ま〟行の唇を閉じる発声ができなくなったのだと。
今度会った時は、いっしょに〝ま行〟を練習しようと誘ってみることにしました。身体も不自由になって、今やっと自分のための時間を生きている彼女。すべてが削ぎ落とされてもう一度人生をやり直すチャンスが来ています。彼女が〝ま行〟をクリア出来たとき、自分のスピリチュアりティと現実の生きる喜びがつながるのだと思います。

 

「主よ、今日一日

優しい言葉に飢えている人々と語りあうため

私の声をお望みでしたら
今日、私のこの声をお使いください」 マザーテレサの祈りより

 

ボイスセラピスト スピリチュアルカウンセラー  須藤美智子


*中国気功の六字訣(りくじけつ)…中国でも広く行われている気功法のひとつで、6つの音から成り立ちます。口の形をはっきり保ち、かすかに音を振動させるようにして発声します。音波によって経絡をめぐる気の流れがよくなり、健康が増進されます。

*チャクラ…身体にある7つのエネルギーセンター
 

スピリチュアルボイス講座(ボイスセラピスト講座)についての詳しい情報は  http://www.voicetherapy.info/lectureship

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真実のわたしへーひらいていく声

カテゴリ : インナーチャイルドの声

真実のわたしへ―ひらいていく声

 

声から人生が変わる 声から未来も変わる 声から過去も変わる

 ボイスセラピーでは、絵本・詩・真言を通して、言葉や内容からのカウンセリング・声のリーディング(その方の状況・生き方・考え方・インナーチャイルドを読み取ります)と声のケア、声から守護霊メッセージやオーラをリーディングします。声はわたしそのもの、わたしの身体の奥深いところを通って出てくるものだからです。ですから自分の声を聞き、声を変えることで、生き方や人間関係、過去までも変えることができます。

 中でも上質な詩は、書かれた方の魂から湧きあがった言葉やリズムが、呼吸のように自然に私たちの悲しみやよろこびによりそってくれます。ボイスセラピー東京でのワークショップ「魂の声でインナーチャイルドを癒そう」では、おーなり由子さんの「あさがお」の詩をみなさんで読みあいました。

 

あさがお おーなり由子

 

ふわり ふわ

さ ひらく 

 

のびていく つるは

とんがった緑色のゆび

へとへと

たしのなかから

ゆったりと

はみでよう

 

たしのなかの

おおらかなものが

たいたがっている

 

ふわふわ

まさきでねるように

ぼみの先が れて

たらしいものが

まれてくるように

 

おおきな

おおきな

顔のをかきたい

 

しずかな空のように

おいしい水のように

かみさま すこしの勇気を

たしに ください          角川書店『花のうた』より

 

 この詩の中にはあ行の音(黄色)がたくさん含まれています。あ行は50音の中でただひとつ母音でできています。母音は発声するとき、口の中も身体の中もどこにもひっかからずに、お腹からそのまま出てきます。だから、あ行はありのままのわたしをあらわす音。中でも〝あ〟の声は、喉から放射状に天へ向かってひろがっていきます。そしてありのままのわたしの声は、周りの人々や自然、グレートスピリット(大いなる存在)へつながっていきます。「あさがお」の詩について、参加くださった方から「この詩を読むと自分の中の上がひらく。からだがふるえる」という感想をいただきました。

 

 もうひとつ、この詩には、声を伸ばしていくと〝う〟音と〝あ〟音の組み合わせになる言葉が多いこと。例えば(ピンク色の)〝ふわ〟の言葉。〝つ〟まさきで〝跳〟ねるように 〝つ〟ぼみの先が〝わ〟れてのところ。ボイスセラピー50音ヒーリングでは、〝う〟音は自分にたちかえって自分を見つめる音。自分の苦しみを見つめ、インナーチャルドに立ち返って見つめることをしてこそ、わたしたちは〝あ〟音のように、真実の自分をひらいていくことができるのかもしれません。

 また、〝う〟音と〝あ〟音の発声は〝わ〟の音を生み出します。(昭和の初め、岡本天明は『ひふみ神示』で 「あ」の身魂とは天地のまことの一つの身魂ぞ…「わ」とはその右の身魂ぞ…「あ」も「や」も「わ」も一つのものぞ と述べています)〝わ〟は大切な「わたし」の〝わ〟。「わたし」をクリアに発声できれば、自分らしく生きているといえるのでしょう。

 

 わたしたちの生きる方向をブロックしているものに「こわい」という〝怖れ〟の感情があります。これは子ども時代に、両親や周りの大人たちによって植え付けられてしまったインナーチャイルドの一つです。世間の常識・両親や周りの大人から発生する生き方・考え方・言葉・行動からはずれないようにわたしたちは生きてしまいがちです。そのマルの中にいれば、安全で安心で、承認されるから。中には両親の価値観がそのまま自分の価値観だと思い込んで生きてしまうこともあります。大切な教えもありながら、人生は自分で獲得していかなければならないことがほとんどです。一番理想的な生き方は自分の中の止まない欲求や使命によって囲いを打ち破り、経験を積み上げて〝怖れ〟を手放していくことです。でも、「こわい」という気持ちが強く自分を支配している時、わたしたちは未知のものへ踏み出すことができず、変化できない殻を打ち破れない自分に苦しむことになります。いつも自分に満足できず、ひとの目を気にしながら生きてしまうことになります。

 「あさがお」の詩はあ行の音―母音―が多く、そのためあたたかいやわらかい雰囲気に満ちています。朝へ朝へとのびていく緑色のゆび、あたらしいものが生まれるように開いていく朝顔の花…は新しく変化していくわたし、自分をしばっていたものからはみでることができる自分そのもの。読みながら〝怖れ〟に支配されていたインナーチャイルドを溶かし、癒していきます。ワークショップでは、みなさんの声がどんどんやさしく透き通って、お部屋の空気が変わっていきました。また、ハープ奏者みつゆきさんの「めぐりあい」という曲(Irish Harp Instrumental『みつゆき Best  22』より)をかけながら読みあったのですが、「この詩にぴったり」とみなさんが感心されました。ハープの繊細な響きが詩の言葉の間を木漏れ日のように埋めてくれました。

 

「あさがお」の詩の中のあ行の言葉を意識しながら、口を大きくあけて背筋をのばし、喉に力を入れずに読んでみましょう。声の高さを変えながら、自分が一番出しやすい高さに調整してみましょう。何度も何度も読んでいるうちに、声といっしょにつらかったインナーチャイルドが出て行きます。また読み込んでいくたびに、言葉が自分に同調します。

人生は声から変えられます。声をまず、なりたい自分に近づけてみましょう。そしてその自分の声を周りの人へ伝えましょう。あなたの印象が変わり、人間関係も変わります。声から古く硬くなった自分を手放しましょう。あなたが幸せになるために。わたしが幸せになるために。

 

「主よ、今日一日優しい言葉に飢えている人々と語りあうため 私の声をお望みでしたら
今日、私のこの声をお使いください」マザーテレサの祈りより

 

ボイスセラピスト スピリチュアルカウンセラー  須藤美智子

ヴォカリーズはインナーチャイルドへの旅

カテゴリ : インナーチャイルドの声

声はひかり

 ひかりは声

響きのきらめきが

 時間(とき)をさかのぼる

いのちのはじまりの声が 天より降りてくるとき

インナーチャイルドの旅がはじまる

 

 ヴォカリーズは歌詞をもたない声。声の「響き」だけで唄われる魂のための子守唄、
魂を癒すヒーリングソングです。

 ヴォカリーズをくりかえしていくと「声」はいつしか時間(とき)をさかのぼってい
きます。なつかしい時間、あたたかい時間、傷ついた時間、さびしかった時間。それ
らの時間が、光の破片のようにきらめく。「声」がいつしか、私たちをいのちの誕生
の時間、いのちの源の時間へ運んでいきます。「声の響き」によるインナーチャイル
ドへの旅の始まりです。

 「あ―・A―」とヴォカリーズしてハートを開いてみましょう。「あ」は母なる音。
お母さんのお腹にいた時間へつながります。あたたかさや安心感を思い出させてくれ
ます。「な―・NA-」とヴォカリーズしてハートをやわらかくしてみましょう。「な」
は上手に甘える音。上手に甘えられたとき,温かさとやわからさを「声」からいただい
ています。さびしくて心が寒かった「私」はいなかったでしょうか?「ま―・MA―」
とヴォカリーズして自分にやさしさを届けてみましょう。「ま」はやさしく私を包む音。
やさしい言葉をかけてもらったとき、やさしい色や形に出会ったとき、やさしい眼でみ
つめながら大切にされたときを思い出させてくれる音。あらあらしい言葉や無神経な言
葉をぶつけられて,傷ついている私はいないでしょうか?ひざをかかえてひとりぼっちで
泣いている私はいないでしょうか?

 

  ボイスセラピーのヴォカリーズは「声の響き」そのもの。歌詞はなく、旋律にも決ま
りはありません。その時その場に集まった人の声で織りなす一期一会の声のワークですし、
一期一会の声の織物のようなものです。何気なく声をだしているうちに、いつしか声と呼
吸はひとつになっていきます。高音で声がそろって教会の讃美歌のような響きになるとき
もあります。とてもやさしい音が続いてデリケートな声の織物ができあがるときもありま
す。低音でまとまって大地につながるような力強い声になることもあります。どのような
声で響きあっても、私たちの身体の緊張はゆるみ、呼吸は安定します。ハートチャクラが
やわらかく開いて、閉じ込められていた、多くはインナーチャイルドに関わるような「悲
しさ、さびしさ、つらさ、傷み、怒り」などの感情が、声を通して解放されていきます。
涙があふれてくることもあります。げっぷや咳が絶え間なくでてくるときもあります。怒
りがふきだしてくることもあります。しかし、解放のあとには静かな気持ちと同時に癒し
や気づきがもたらされていくのです。

「声の響き」の本当に不思議で、1回限りのピリチュアルなワークです。

ヴォカリーズがなぜ感情の解放や癒しをもたらすのでしょうか?その答えのひとつに
「呼吸」があります。たとえば「まー」のヴォカリーズでは、ま音を長くのばし続けます。
息を吸い、吐く息にのせて「まー」を響かせます。また息を吸って吐きながら「まー」を
くりかえします。長く音をのばすということは、息を長く吐くということです。みなさん
で声を伸ばすとき「私」のまわりの空気は揺れて変化します。同時に私たちの身体も同調
(シンクロ)して揺れ、変化しようとします。また、息を吐くとき、副交感神経の働きで
身体がリラックスします。揺れとリラックスは、ハートチャクラを開き、私たちに感情の
解放をもたらしてくれるのです。

「同調する=シンクロする」ということは、「響きあう」ことでもあります。

「響き」はすべての生命(いのち)の源。男性と女性の響きあいから愛が生まれます。精
子と卵子の響きあいから生命が生まれ、母と子の響きあいから、信頼と安心感が生まれま
す。宇宙と人間の響きあいからリズム(秩序と規則性)とハーモニー(調和)が生まれま
す。「響きあう」なんて美しい言葉でしょうか。「響きあっている」そこには「私」では
ない別の1人が存在するということです。「私」といっしょに感じあってくれる人、いっ
しょに唄ってくれる人、いっしょに夕焼け空をながめてくれる存在がいたという、確認。
それが「響きあう」ということ。

インナーチャイルドは生きてきたどこかで「響きあうこと」を壊された、見失った時間。
小さな傷ついた私は、響きあうことを見失った時間のなかで、今も迷子になっています。
一人で泣きぬれています。助けにいかなくてはいけない。その時間はもう終わっている
ことを教えてあげなければならないのです。

 

 東京にて「魂の声でインナーチャイルドを解放しよう」というワークショップを行い
ました。ヴォカリーズの光の織物をいつも私は楽しみにしています。今回はどんな感じ
になるかしら、どんな形になるかしらと、わくわくしながらワークに臨みます。

参加された方の世代が近かったからでしょうか、みなさん最初は遠慮がちに声をだして
みえました。やがて私たちの頭上の空間がぱっと開いて、天とつながる時間がきます。
ここから癒しの時間の始まりです。みなさんの声が響きあって光になっていくのを見て
います。やさしい声の光でした。パステル調の中間音で声は落ち着き、やわらかい声の
織物ができあがっていきました。響きあう声のドームのようなものに私たち全員が包ま
れていきます。

声が光だと一番感じる瞬間です。声は光でできている。だから温かいんだ、人を温めて
くれるんだと感じる時間。頭上からも声の光は、私たちにふりそそいできます。

インナーチャイルドへの旅にでかけるために、1回目のヴォカリーズをしました。そして
インナーチャイルドの私に出会ったら、「傷ついた小さな私」のために2回目のヴォカリ
ーズを唄っていただきました。小さな私への子守唄のプレゼントです。長い時間迷子に
なって、寒くてさびしい時間を過ごしていた「小さな私」には何より温かさが必要です。
もしかしたら幼い時に大人の心ない「声」で傷ついた「小さな私」かもしれません。
「声」で傷つけられたら存在は、「声」で癒すのが一番です。傷ついた魂を癒す、魂の
声―それがヴォカリーズです。

 参加された方がこんな声を聞かせてくれました。

 

  インナーチャイルドに「光に還る?一緒にくる?」って尋ねたら「一緒にいる」と

  言ったんです。

 だから一緒に今の私にもどってきました。でも最後に海がでてきてちびっこちゃんは
 海へ行ったようです。

 そして未来かな?みえました。小さな男の子と海辺を歩いてました。男の子は海辺を
走りまわっていました。私、妊娠してました!(びっくり)。

 

 インナーチャイルドヒーリングでは、小さな私を傷ついた時間から解放して、光へ還して
あげるのですが、この方のインナーチャイルドは海へ還ったのですね。自由におおらかなと
ころへ還っていくことができたとき、気持ちはすっきりしてきます。この方のように未来を
みてくることもできます。
インナーチャイルドは誰にでもあります。「親」やまわりの「大人」もパーフェクトでは
ありませんから、知らず知らず子どもを傷つけてしまうこともあるのです。ヴォカリーズを
通して、親を認め直すこともよくあります。また「自分がだめだから、自分のせいで」とい
う自分を責めてしまうタイプの方には「自分を許し、自分を愛する」時間となります。
インナーチャイルドは根深く、心の奥深くに隠れて声をひそめています。ですから気づか
ないことも多いです。ふだんはなにごともなく生活をしているのに、突然、感情的になった
り、かっと怒ってしまったり、わっと泣いてしまうことはありませんか?わけもなく感情的
になってしまう自分の陰に、インナーチャイルドが隠れています。自分を責めたり、ごまか
したりせずに「インナーチャイルド探し」をしてあげましょう。「小さな私」は声をひそめ
て過去の暗い時間に座り込んでいます。いつか誰かが探して助けにきてくれるのをじっと待
ち続けています。

 

 これを書きながら、加古隆さんのCD「予感」をひさしぶりに聞いています。「ピアノ詩人・
ピアノの画家」と呼ばれる加古さんの詩のように、絵のように美しいピアノの旋律。ピアノ
の旋律は風景のよう。木があり、風が吹き、湖面がゆれる。そこに3人の声楽家の響きの声が、
光のようにきらめく。私は3人のなかでオレグ・リアベツの声=メールソプラノが好きです。
彼の声には男女を超えた力強さがあります。崇高ささえ感じるのです。神なる存在からいただ
いたようにリアベツの「声」が「響く」、「声の光」がきらめく。                                   
 加古さんが「予感」で書いてみえました。「人の声ってもしかしたら響きの中では最も光に

近い存在なのかもしれない」。響きの中では最も光に近い存在―それが人の声。だから愛する
他者を照らすことができる。いとおしい他者を照らすことができる。


 生命(いのち)として誕生した私たちは、母や父のよびかけの声をとおして、心がふれあ
い、気持ちが通いあうことを学んでいきます。やがてそのくりかえしが「信じるということ」
「安心すること」だと学んでいきます。インナーチャイルドを癒すことが大切なのはそのため
です。傷つけられたインナーチャイルドは、人を信じることを拒みます。安定したエネルギー
をいごこちが悪いと感じます。傷つけられたインナーチャイルドは、自分を信じることも愛

することもできません。自分を許す方法を知りません。まだ、幼い時間に閉じ込められて、
自分が成長して大人になったことさえ気づかないのです。ですから他者を上手に愛すること
ができません。関わりがぎくしゃくします。

ヴォカリーズで、まず自分の声を響かせてみましょう。声の響きが光だということ―それは
人として美しいことです―を認めてください。あなたの声が癒しを必要としている人を照ら
すことができるということ、声を通して響きあえるということをインナーチャイルドの「私」
に伝えてあげてください。

 

  声はひかり

    ひかりは声です


 
             「主よ、今日一日 やさしい言葉に飢えている人々と語りあうため

                                    私の声をお望みでしたら今日、私のこの声をお使いください。」

                                                                                           マザーテレサの祈りより

 

 

 

 

 

ボイスセラピスト スピリチュアルカウンセラー 時野慶子 2010・11・3

                                                                 文中のCD 加古隆「予感 pressentiments」1998年 epic records

 

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1998年私たちは「光の姉妹」を結成して、
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体験したこと、お伝えしたいことを書いています。
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2010年11月1日 時野慶子&須藤美智子






 
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